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『フリーダ・カーロの遺品 −石内都、織るように』の中には、舞台となったメキシコの様々なカルチャーが登場します。
近代メキシコの激流の中で、トラディショナルな衣服、文化を自身の表現に取り込んだフリーダ・カーロは、独自のポップな解釈をしつつもメキシコ史の体現者でもありました。
そんなフリーダ・カーロを取り巻くメキシコ・カルチャーの一部をご紹介します。
基本情報
@ブルーハウス/Casa Azul
![]() フリーダが生きていた痕跡を感じる、映画の主な舞台
Aテオティワカン遺跡/Teotihuacan
![]() 壮大な遺跡からメキシコの歴史を体験する場所
B死者の日/Dia de los Muertos
![]() 陽気な死者=ガイコツが踊るメキシコの“お盆 毎年10月31日から11月2日にかけてはメキシコのお盆にあたる「死者の日」と呼ばれています。亡くなった家族を迎え入れるだけでなく、盛大なお祭りがメキシコ全土で開催される期間です。もともとはカトリックの祝日ですが、メキシコでは2500〜3000年前から死者の魂を弔う伝統があり、死者=ガイコツを明るく受け止めている文化が根付いているそうで、期間中は街のいたるところでお祭り騒ぎが繰り広げられます。墓地では、死者の魂を呼び寄せると言われているマリーゴールドの香りが漂う中で、先祖を迎え入れようとする人々がろうそくの火を灯して、静かに佇んでいました。
Cオアハカ/Oaxaca
![]() 世界的な注目を集めるフォークアートの宝庫 メキシコシティから高速バスで7時間ほどの距離にあるオアハカ。オアハカを州都とするオアハカ州は8つの地方に分かれていて、メキシコ国内で最も先住民族の割合が多く、16の民族が居住していると言われています。その民族ごとにさまざまな特徴を持つ民芸品(織物、刺繍、陶器、雑貨等)が作られており、「フォークアートの宝庫」として世界的に注目を集めている地域です。近年は日本でも、オアハカのフォークアートを愛好する人が増えています。
Dテワナ(ドレス)/Tehuana(dress)
![]() オアハカ州イスモ地方特有のドレスはフリーダのアイデンティティの源だった
E刺繍/Bordado
![]() 女たちが丁寧な刺繍を施すドレスは、親から子へと受け継がれていく 映画に登場するイスモ地方の刺繍は、かぎ針を使用するガンチョと呼ばれるチェーンステッチと、ミシンによる機械刺繍のカデーナが代表的なものです。もともとはスペインから伝わったとされるカデーナが主流だったようですが、1940年代ごろから大輪の花のモチーフが広がってきたそうです。映画に登場するテレサ・ロペス・ヒメネスさんは、その両方を手掛ける刺繍作家。気の遠くなるような細かなチェーンステッチで花の輪郭を刺していく手法は、鮮やかで生き生きとしており、独特の立体感が魅力を放っています。映画内でも語られているように、丁寧な刺繍が施されたドレスは長く愛用され、親から子へと受け継がれていきます。 |
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